ゆっくりと歩み寄る
朝一番の気温が、布団から出る事をためらうようになってきた。
冬の訪れを予感させるような布団のぬくもりと、相反して感じる部屋の冷たさがなんとも季節を感じられる。
思えば、今年の夏はまるで神様がさいころを振って出た目で天気を決めたような、まさしく出鱈目と言った季節だったのが強く印象に残っていた。最高気温が真夏日かと思えば次の日には20度近く、その落差がニュースにもなったほどだ。その気分やな神様にもうちょっとなんとかならないものかと思いつつ気温の安寧を願っていた。
そんな願いが通じたのか、今年の冬の導入はとても好きだ。
毎日過ごしやすい気候が続くなか、テレビの中の人が言う。今日の最高気温は気がつけば少しずつ低くなっていき、激しい落差もない。
夜の冷え込みもなんだか優しささえ感じられ、「もうすぐ冬が近づいてますよ~、防寒の準備をしてくださいね」とさえ言わんばかりに、ゆっくりと、しかし確実に寒くなっていく。
一方で私は、季節の優しさをよそに未だに職場用の厚着をまだ用意していないというていたらくが続いている。
まだ少し優しい冬の入り口であるが、ここから防寒具無しでは厳しい気温になっていくだろう。というのが分かっているのにどうにも前もって準備というものが出来ない。
性分なのか、きっと優しい冬さんにお叱りを受けたところでようやく仕度をするのだろうなと我ながら他人事のようにこの時期を過ごしている。
とはいえ、冬のお叱りは辛いものがあるので、もう少しだけ優しさに甘えたら冬に応えようと自戒するのであった。
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ゆっくりと近づく季節がなんだか嬉しくて、久しぶりに四季っていいなあと思いながら通勤しています。
激動もスリルがあっていいものですが、寄りそうかたちは優しさがあっていいですね。
それではまた。